電人アロー
なんかヒマだったので、ヤフーオークションで全3巻の復刻版を衝動買いしてしまいました。1500円で、別に送料840円、しかも伝票には「マンガ本」の文字がしっかり書いてあったので、家人にはあきれられてしまいました。「書籍」と描いて欲しかったな。
作者の一峰大二先生の絵、正直言って、苦手でした。当時の感覚としては「下手」だと思っていました。一峰先生の、あの線と、主人公など人物の独特の「姿勢」、胸をそらして立っている姿のデフォルメが苦手なのかもしれない。でも当時好きだったエイトマンの桑田先生なんかも似たような構図の人物を描いているんですけどね。なんで一峰先生の作品を嫌っていたのか。
一峰先生の作品の中では、「電人アロー」は例外的に読んだ作品です。小学生だったわたしが行く床屋さんの待合室には「少年」が置いてあったのですね。アローの電光スピアーと、宇宙エースのシルバーリングは、スペシウム光線登場までの、憧れの武器でした。
でね、今、読んだわけですよ。
後悔してしまいました。
電光スピアーは昔どおりでしたが、ストーリーは思った以上に、メチャクチャでした。
御都合主義は当時のマンガのお定まりだとして、冒頭のテストドライバーがなぜ電人アローだったのか、わからない。なぜ特定の少年の呼び出しのみに応じるのか、ふだんは何をしているのか。スパイを手伝うときにみせた変身能力はなんなのか。不二研究所でもその他でも、すぐ人体実験をしたがるけど、息子をアローにするのって「ミカドロイド」の発想だし、「化石人間」もそう。まともな研究といえない気がする。エイトマンは、自分があの姿に変えられたことを嘆き、苦しんだのに。
さらに好みの問題として、敵方のロボットがみんな不細工。子供の頃に、正月になると駄菓子屋で売っていたマンガ双六の図柄のようなバチモン系のデザインだ。
エイトマンや009、仮面ライダーでさえ、現在も読み返すことができます。鉄人も読めるでしょう。しかし、アローのストーリーはダメです。子供だましそのものです。これが一峰作品を敬遠していた最大の理由だったのかもしれません。子供って意外と、わかるんですよ。
- 作者: 一峰大二
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 1999/02/01
- メディア: コミック
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