江戸川乱歩シリーズのこと

 今から40数年前のこと,当時の東京12チャンネルで「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」という連続ドラマがありました。当時のテレビでは,女性のバストトップ露出が許容されており,有名な「時間ですよ」や深夜ワイドショーなどで「全裸」が珍しくありませんでした。
 しかしその時代にあっても,このドラマのインパクトはすごかった。初回が「蜘蛛男」。といってもスパイダーマンじゃないよ。若い女性を拉致して殺して,自作のパノラマ園に飾ることを夢見た男の話。完全,変態だよね。今なら,マニア向けAVのシナリオといったところでしょうか。
 蜘蛛男を演じるのは,伊丹十三さん。まだ「お葬式」の製作前で,いわゆる性格俳優と呼ばれていたころです。似合っていました。
 というわけで,拉致された全裸女性が数人,それが保冷コンテナに閉じ込められて殺されるシーンがテレビ画面に映されたわけです。当時,中学生だった私には刺激が強かったなんてもんじゃない。後年,天地茂さんの明智小五郎シリーズが,テレビ朝日(NET)の土曜ワイドで放映されますが,そんなもんじゃなかった。迫力が違っていました。配役も渋く,天地版で荒井注が演じた警部は,山田吾一さん。小林少年にいたっては,岡田裕介(現・東映社長!)さんでした。
 で,この作品のビデオ化,DVD化は,あちこちで求められていたのですが,このたび発売が決定したようで,予約を募集中です。ご同好の士へのご報告まで。