悪いのはこっちなんだけど

 わがゾンビ会社は、あちこちに税の滞納がある。自慢するが、わたしが資金繰りをやっていた頃は、どの役所ともそれなりに信頼関係があったから、滞納分も分納・延納で解決していた。

 愚かな経営者が、人の忠告も聞かず、複数の詐欺的取引にひっかかり、おまけに狡猾な金貸しの餌食となっていった。わたしは、愛想が尽きて会社を辞めようとしたが、ガンが見つかり、結局、会社に戻っている。資金繰りからは離れていた...はずなんだけど。

 バカがあちこちから最後通牒を突きつけられ始めた。分納・延納どころか新規発生分まで滞納を繰り返していたから、当然の報い。で、結局、わたしをひっぱりだす。もう、どうしようもない状態になっていて、わたしとしてはひたすら謝ることと、今後の確実な納税約束を認めてもらうしかない。反面、呑んでもらえないなら、つぶすまでよ、という覚悟。もっとも、この事態を招いた張本人は、まだ生かしてもらえると思っているらしいけど。

 ところで徴収担当者のパーソナリティにも、いろいろある、というのが今回のはなしです。

 まず大前提として、担当者が悪い奴で、弱いものいじめをしている、という構図はありえません。みなさん、職務として嫌な仕事をこなしているんだと思います。ほんと、悪いのは滞納する側だと思います。

 とはいいながら、ここ数日、いろんな担当者と会って交渉してみて、つくづく人格の違いを感じました。

 まず、感心した例。

 その人は、役所としての譲れない線を明確にかつ冷静に告知しました。その上で、今後の見通しをゆっくり説明してくれました。さらに、それらの後に「余談」「雑談」ふうに、わがゾンビ会社の経営姿勢の問題点を、的確に挙げ、改善を勧めてくれました。
 その人が帰ったあと、さすがのバカ(ここでは、わたしのことではありません)も納得、反省していました。そしてがんばって完納しようと、その場では、思ったようです。


 でも、こういう人もいれば、こんな奴もいるんだ、と。

 まず、会社に電話がはいりました。会社は剣幕をおそれ、社長の携帯を教えてしまいました。ところが、大事な商談中で、電話に出られない。相手先を出て、着信に気づき、見慣れぬ番号なので会社に確認。事情がわかって、とりあえず帰社してから、かけ直しますの連絡をいれようと電話。すると、そこで本論をはじめる。出先なので、といっても聞き入れない。しかたなく、こちらの言い分を伝えると、自分が関知していなかったというだけで、逆上して早口でまくしたてる。単純に解釈の違いだけの問題なのに、こちらを犯罪者のように扱う。
 後日、直接会いましたが、やはりアホでした。あくまで一方的にまくし立てるだけ。約束を破った、の繰り言のみ。理由も何も聞かずに大声を出す。ちほうこうむいんとしても、相当いかれている人でした。金が無い人間を威圧すれば、その人間が金を払うと思うって。そりゃ、むかしのサラ金だよ。今、そんなひどい取立てする業者は、少なくとも表社会には、いないよ。
 当市では、しやくそ全体がおかしい気もするんだけど、でも、やはり彼は異常ですね。本当は実名出して、糾弾したいんだけど、今はまだ我慢。会社が本当につぶれたら、実名で、事実を書こうと思います。