前立腺ガンのこと

 昨日、NHKの「ためしてガッテン」で前立腺ガンの特集をしていました。

 そこで気になったことがひとつ。

 前立腺ガンと前立腺肥大の自覚症状が同じ、という説明についてです。

 私の前立腺ガンは本当にごく初期のもので、奇跡のような早期発見だったのですが、自覚症状はほとんどありませんでした。発見のきっかけは、出血でしたが、そのときは冬季で寒かったため、前立腺炎が発症したのだろうという診断でした。翌年の冬、別の医師がその話を聞いて、念のためPSA検査をしてみようということになり、その結果が「やや高い」ということで、さらに生検をして判明したものです。

 別に頻尿もなかったし、残尿感も、尿が出にくい等の症状もありませんでした。医師の説明でも、前立腺肥大と前立腺ガンは全く別の病気だということでした。もちろん、ガンの進行程度によって肥大と同様の症状が出てくる場合が多いのだろうと思います。しかし早期発見、初期発見ということにこだわるなら、自覚症状はそもそも「無い」のだと認識していたほうがいいと思います。だから健康診断時のPSA検査が有効なのです。

 昔は、死後解剖してみたら、前立腺ガンが判明したというケースも多かったと聞いています。進行が極めて遅く、特有の自覚症状がないから、発見が遅れ、転移があってはじめて判明することも多かったのです。

 前立腺肥大の症状が出てきたらもちろん、そうでない場合でも、45歳を過ぎたらPSA検査を受けてみることが必要だと思います。自覚症状が出てからでは、遅い気がします。


 なお昨日の番組では、初期の治療法のトップが「外科手術」、次に「放射線」でした。たしかに小線源封入による内照射療法は、グリーソンスコアの数値によっては適応外ですし、転移前の早期発見であれば、前立腺自体を摘出してしまえば、もはや前立腺ガン転移の心配はなくなります。
 しかし何度もこのブログで触れたように、尿漏れや男性機能の完全喪失などの副作用の危険が、手術療法には比較的多いといわれています。
 私自身は放射線療法のうち、内照射は適応外とのことで、重粒子線照射を選びました。正直言って、男性機能はかなり低下してしまいましたが(でも「勃ちます」)、少なくとも尿漏れは当初からありません。費用がかかりすぎる、との問題も、ガン保険に先進医療特約をつけておけば大丈夫です。その意味で、わたしは早期発見に対応する治療法は第一に「放射線」だと思っています。

 まず、PSA検査を受けてみる。これが大事だと思います。