論文式試験終了と「幻の公衆」

 一昨日、昨日と早稲田大学で、旧司法試験論文式試験を受験してきた。以前と比べて、問題が易しくなっている気がする。さりとて、自分がよくできた、とまでは言えないが。
 試験中は台風があり、地震がありで大変だった。台風で初日は、教室で食事をさせていただきました。実際問題として、今回、昼食を教室でとらせたことで、何か不都合はありましたかねえ。なんだって、いつも廊下にペタリ、とか階段に腰掛けて、などと受験生を苦しめるんでしょうね、法務省は。人権を擁護して欲しいな。
 2日目に、地震の揺れを感じたんだけど、てっきり高血圧によるめまいだと思い、試験を中断させてもらおうか、と本気で思いました。被災地の皆さん、言葉だけで恐縮ですが、お見舞い申し上げます。
 で、今日は池袋のジュンク堂で「幻の公衆」を購入。

幻の公衆

幻の公衆

読売新聞の書評を読んで、読みたかったんだけど試験が終わるまで我慢してました。で、帰りの電車でずっと読んでました。内容は、・・。おぼろにしかつかめない。理由は、俺の頭が疲れているから?たしかにそれもある。だけど主原因は翻訳が悪いからだと思う。想像なんだけど、学生に部分を割り当てて翻訳させてないか、この訳者。ところどころ、意味不明の悪文、いわゆる日本語になっていない文章がある。その場合、原文を想像しながら読むので、なかなか集中できない。俺なら、こう訳すのになあ、とか考えていると、なかなか読み進めません。鈴木直「輸入学問の功罪」(ちくま新書)を買って読め、と翻訳者に言いたい。
輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか? (ちくま新書)

輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか? (ちくま新書)

書評者は、なぜそれを指摘しないのか、と思ったら訳者解説で、なんとなく事情が読めました。でも、もう一度言います。金取って読ませるレベルの翻訳になってない。今は21世紀だぞ、昭和の初めの三木清の時代じゃないんだぞ。柏書房の編集は、もっとがんばって、「先生、ここ意味がわかりません。句点の位置が不適当です」くらい、指摘してあげましょう。
 ま、こういう本は原書と並べて読むこと、と相場はきまっているんだけどさ。